【水彩色鉛筆の使い方】百合の花・鉄瓶・月餅を描きました(その2)

はじめに

2025年7月からさらに制作を進めた水彩色鉛筆画が完成しました。
前回の記事から約1ヶ月、色の調整と質感表現に重点を置いて仕上げました。

タイトル:「冷香の午後3時、摂氏18度の茶宴」
背景色に、グレーを使った段階で、
冷房の効いた室内のイメージが固まり、
このタイトルにしました。

今回のモチーフについて

百合の花、緑色のお皿に置かれた月餅、黒い鉄瓶の写真

今回選んだモチーフは、それぞれ異なる質感と色合いを持っています。

  • 瑞々しい白い百合の花:純白の花びら、少し緑がかった透明感のある花と、生き生きとした緑の葉
  • 黒の鉄瓶:重厚な黒い表面に、凹凸が生み出す独特の質感
  • 深緑色のお皿にのせた月餅:なめらかな陶器の艶と、月餅の温かみのある茶色

完成作品「冷香の午後3時、摂氏18度の茶宴」

鉄瓶と月餅と百合の花を水彩色鉛筆で描いた絵

「(仮)三位一体」から
正式なタイトル
「冷香の午後3時、摂氏18度の茶宴」
として完成させました。

夏の暑い季節でありながら、
涼やかな午後のティータイムをイメージし、
背景にグレーを使用することで冷たい雰囲気を演出しています。

鉄瓶の質感表現テクニック

使用色の詳細:

  • 鉄瓶:ファーバーカステルの ダークインディゴとブラック
  • 影部分:コールドグレー、アースグリーン
  • ハイライト:紙の白を活用
  • 調和色:わずかな緑とオレンジ

粗目の水彩紙の質感を最大限に活かし、
鉄瓶特有のデコボコした表面を表現しました。
ポイントは、完全に黒で塗りつぶさず、
紙の凹凸に色鉛筆をのせ、
光っている部分は色をのせない、
もしくは消しゴムで消しました。

月餅の立体感と美味しさの表現

月餅の色彩の重ね方:

  • ベース:カラト アクェレルのゴールデンオーカー
  • 第2層:カラトのオレンジ系、ファーバーカステルのオーカー、ファーバーカステルのローアンバーなど
  • 模様部分:ブラウンオーカーなど濃いめの茶、少しの緑
  • 光沢:紙の白

月餅の表面の模様は、最初に薄く全体を着色してから、乾燥後に濃い茶系の色で描き込みました。

皿の色彩:

  • ベース:ファーバーカステルのアースグリーン
  • 第2層:カラトの緑系、ファーバーカステルのオーカー、ファーバーカステルのウォームグレーなど
  • 縁の部分:ブラウンオーカーなど濃いめの茶、少しの緑

月餅など不定形のものを描くのは得意ですが、
皿や箱などを描くのは、正直苦手です。
歪みが気になりますが、手作業の味と考えて良しとします。

白い百合の花びらの繊細な表現

白い花びらの描き方:

  • 基本:紙の白を最大限活用
  • 影色:カドミウムイエローレモン、薄い緑系の混色
  • 花芯:カドミウムイエロー、オレンジ系
  • 雄しべ:オレンジ系+バーントアンバーで細かく描写

白い花を描く最大の難しさは「何も描かない勇気」。
色を乗せすぎると花の清楚さが失われるため、影の部分や花びらの重なった部分のみを慎重に着色しました。

背景処理で作品の雰囲気を決定

今回の作品では、普段使わないグレー系の背景を採用しました。これにより「冷香」というタイトル通りの涼やかな印象を演出できました。

背景の技法:

  • 上部はペインズグレー 、下部はコールドグレーと 薄いブルーを混色
  • 水で溶かし、ほぼ均一にぼかし処理
  • モチーフの輪郭を際立たせる効果

最後に

今回の制作を通じて、改めてモチーフの形を正確に取ることの難しさを知りました。
また、今回選んだ水彩紙の質感に助けられたところもあります。
色彩の調和と質感表現に重点を置き、夏の暑さの中にも涼やかさを感じられる作品に仕上がりました。

これからも水彩色鉛筆での表現について、さらに探求を続けていきます。

制作の最新情報はInstagramに投稿していますので、ぜひご覧ください。

使用画材

  • 水彩色鉛筆:ファーバーカステルアルブレヒト デューラー+ ステッドラー カラト アクェレル
  • 用紙:ホルベイン ウォーターフォード水彩紙ホワイトブロック粗目 300g